「気づいたらトイレの床が濡れていたので見てもらいたい」というご依頼でした。
床へ水が漏れる症状はどのタイプのトイレでも起こり得るトラブルですが、原因となる箇所は複数あります。
また、メーカーや機種によって構造上の特有の原因の場合があります。
今回はINAX製の組み合わせトイレで比較的新しいタイプのものでした。
実はこのタイプは1番厄介で、同じ機種でも製造時期によって仕様が異なる部分があり、その異なる部分からの漏水がとても多いのです。
仕様変更となった理由はおそらくこの水漏れの多発だと思いますが、この部分は目に見えない箇所(タンク内部の下)であるため、特定するには一度タンクを取り外して分解するか、その他の原因となる可能性のある箇所を全て点検して消去法で特定する必要があります。
タンクを取り外してしまうと設置時の状態が完全に再現できないことや、部品が取り寄せとなる可能性が高いため、下手に脱着して水漏れが悪化しトイレがしばらく使えなくなる事態は避けたいという理由から今回は消去法で点検を行いました。
点検箇所は
- 温水洗浄便座
- タンクへの各給水部品
- 手洗い吐水口
- アウタータンク内
- 壁排水接続部
などです。
このうち③の手洗い吐水口の一部破損が見つかったのですが、この部分も床への水漏れの原因となります。
ただ点検の結果は①②⑤と同様に問題ありませんでした。
④についてはこのトイレはタンクがアウタータンクと洗浄(インナー)タンクに分かれている二重構造になっていて、通常はアウタータンクには水がありませんが、水漏れがある場合タンクの底に水が溜まっていることが多くありますので、その部分を確認しました。
点検結果としてはやはりアウタータンク底に水が溜まっている状態でした。
この状態の場合、トイレを流すとアウタータンク底に唯一あいている給水ホースを通す穴の部分から床へ水が漏れ出しますが、何度か流してみても給水ホースを水が伝って漏れている様子はありませんでした。
赤丸の部分が給水ホースを通す穴で、この裏のタンク内側は穴周りの補強のために一部が少し盛り上がっています。
この盛り上がりより溜まった水の水位が上がると外に漏れ出しますが、今回はその様子はありませんでした。
おかしいなと思いつつ引き続き点検を行った結果、アウタータンクの底にヒビが入っていることが確認できました。
この部分は先ほどの穴の補強のための盛り上がりよりも低い位置になるため、ここから水が漏れ出てしまっていたようです。
最終的な結果は、洗浄タンクの下から水漏れ(他に原因がなく、メーカーに対策前の製品であることを確認済み)してアウタータンクに溜まり、ヒビ割れした破損箇所から床へと漏れていました。
お客様に状況を説明して、後日タンク交換を行うことになりました。
通常アウタータンクの破損がなければ洗浄タンクの交換だけで済みます。
また、新しいものは全て対策品(仕様変更)となっていますので、同じ箇所からの水漏れが起こる心配もありません。
破損があった手洗い吐水口も交換しました。
修理までの間、お客様にはタンクの下に雑巾や受け皿を置いて凌いでいただきましたので、毎回気にしながら使用しなければならない不安感や雑巾や受け皿交換の手間から解放されてとても喜んでいらっしゃいました。
無事に解決できて良かったです。
トイレの水漏れやつまりの症状でお困りの場合はまずはお気軽にご相談ください。
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